当法人は、監査業務の品質を合理的に確保するため、以下の事項に関する品質管理のシステムを整備し運用します。
・当法人及び専門要員が職業的専門家としての基準及び適用される法令等を遵守すること。
・当法人又は監査責任者が状況に応じた適切な監査報告書を発行すること。
また、品質管理のシステムは、前述の目的を達成するための方針と、その方針を適用する手続及び遵守状況を監視する手続から構成され職業的専門家としての基準及び適用される法令等の変更を反映し適時の改訂し保持します。
さらに、品質管理のシステムの整備及び運用の状況を適切に記録・保存するため、品質管理のシステムの整備及び運用状況の文書化に関する方針及び手続を定めています。
当法人は、品質管理に関する適切な方針及び手続を定め、品質管理担当責任者は、品質管理のシステムの整備及び運用に関する責任を負い、社員会の代表者が、当法人の品質管理のシステムに関する最終的な責任を負います。
社員会は、監査業務の品質を重視する風土を醸成するために、当法人の品質管理に関する方針及び手続、職業的専門家としての基準及び適用される法令等を遵守して業務を実施すること、及び状況に応じた適切な監査報告書を発行することを強調する行動とメッセージを明確に一貫して繰り返し示します。
社員会は、監査業務の品質を重視する風土を醸成する際に、すべての監査業務において監査業務の品質が保持されなければならないという要求事項が当法人の運営方針において優先されるということを認識し、以下の事項を実施します。
・監査業務の品質が優先するということが当法人の方針であり、この方針を、専門要員の評価、報酬及び昇進(インセンティブ・システムを含む。)等の人事に関する方針及び手続に反映させること
・当法人の営業や業績上の考慮事項が監査業務の品質に優先することがないように、各管理者の責任を定めること
・当法人が品質管理の方針及び手続の整備や文書化、並びにその支援を行うために十分な資源を用意すること
社員会は、社員の中から品質管理担当責任者を選任し、品質管理担当責任者は、品質管理のシステムを整備し、運用するための十分かつ適切な経験及び業務遂行能力を維持し、品質管理上の問題を識別し、理解して、適切な方針及び手続を定めます。
品質管理担当責任者は、品質管理基準委員会報告書第1号の目的を理解し、要求事項を適切に適用するため、適用指針を含め、同報告書を全体として理解します。
当法人は、当法人の状況によって、品質管理基準委員会報告書第1号の特定の要求事項がすべての監査業務に関連しない場合を除き、それぞれの要求事項を遵守しなければならない。当法人は、同報告書の目的を達成するために、同報告書で要求されている方針及び手続に追加して方針及び手続を定めるべき特定の事項又は状況が存在するかどうかを考慮します。
監査責任者は、実施する監査業務の全体的な品質を合理的に確保するために、当法人が定める品質管理のシステムに準拠して監査を実施する責任を負います。
監査責任者の行動及び監査チームのメンバーへの適切なメッセージでは、以下の事項を強調します。
・職業的専門家としての基準及び適用される法令等を遵守して監査を実施すること
・当法人の品質管理の方針及び手続を遵守すること
・状況に応じた適切な監査報告書を発行すること
・監査チームのメンバーが不服と疑義の申立てを行う場合でも不当な取扱いを受けることはないこと
【職業倫理】
当法人及び専門要員が関連する職業倫理に関する規定を遵守することを合理的に確保するために、日本公認会計士協会倫理規則(以下「倫理規則」という。)等に基づき、以下の職業倫理の遵守に関する方針及び手続を定めています。
・誠実性の原則
・公正性の原則
・守秘義務の原則
・職業的専門家としての行動の原則
【独立性】
当法人及び専門要員が関連する職業倫理に関する規定を遵守することを合理的に確保するために、日本公認会計士協会倫理規則(以下「倫理規則」という。)等に基づき、以下の職業倫理の遵守に関する方針及び手続を定めています。
・独立性に及ぼす影響の評価を当法人全体として行えるように、監査責任者及び非監査業務の業務執行責任者は、関与先に提供する業務内容を含め、業務契約に関する情報を当法人に提供します。また、専門要員は独立性の保持に疑いを持たれるような関係や外観について当法人へ速やかに報告します。
・当法人は、独立性の保持に関する情報を蓄積し、また、関係する専門要員にこれらの情報を伝達する
・品質管理担当責任者は、当法人及び専門要員が、職業倫理に関する規定に含まれる独立性の規定を遵守していることを確認するため、毎年独立性の保持のための方針及び手続の遵守に関する確認書である倫理委員会研究報告第1号「監査人の独立性チェックリスト」により独立性に対する阻害要因の有無を調査し、提出します。なお、品質管理担当責任者は、当法人の監査対象会社等上記の調査のため必要となる情報を、事前に専門要員に対し通知します。
【職業倫理及び監査の品質の研修】
専門要員は、日本公認会計士協会の主催する研修に参加するなどして、独立性に関する要求の理解を高めることに努めます。また、品質管理担当責任者は、専門要員のCPD履修状況を確認するにあたり、専門要員が、CPD協議会が必須研修科目として指定した職業倫理及び監査の品質について、1事業年度のそれぞれ必須単位数を履修していることを確かめます。
当法人は、職業的専門家としての基準及び適用される法令等に準拠して業務を実施すること及び、当法人又は業務執行社員が状況に応じた適切な監査報告書を発行できるようにすることを達成するために必要とされる適性、能力及び経験並びに求められる職業倫理を備えた十分な専門要員を合理的に確保するために、採用、教育・訓練、評価及び選任等の人事に関する以下の方針及び手続を定めています。
・採用
・適性及び能力(業務を実施するだけの時間の確保を含む)
・実務経験を通じた能力開発
・評価、報酬及び昇進
・専門要員の必要数の予測
【監査業務の実施に関する方針及び手続 】
当法人は、監査業務の質を合理的に確保するために、日本公認会計士協会から公表された監査基準報告書、監査・保証実務委員会等の委員会報告や実務指針に準拠し、研究報告等を参考として、監査業務の実施に関する方針及び手続を監査マニュアルとして定めています。当該方針及び手続には、監査の実施、監査チームへの指示、監督及び査閲の方法、監査調書としての記録及び保存の方法等を含めています。
【指示】
当法人は、監査現場開始前に監査チーム会議を開き、また、適宜、監査の実施過程において、適切な指示を行っています。
【指導、監督及び実施 】
監査チームの経験の浅いメンバーが割り当てられた作業の目的を的確に理解するためには、チームワークを適切に図り、訓練を適切に実施することが必要であり、業務執行社員は、原則として、監査現場に赴き、必要に応じて、監査チームのメンバーの指導を行うか、より経験のある監査チームのメンバーに経験の浅い監査チームのメンバーを指導することを指示しています
【監査調書の査閲を行う場合の考慮事項 】
当法人は、専門的な見解の問合せに関する方針及び手続を定めています。また、監査チームのメンバーは、判断に困難が伴う重要な事項や見解が定まっておらず判断が難しい重要な事項に直面した場合には、速やかに業務執行社員に報告しなければならない。業務執行社員は、報告された事項を、必要な場合には、監査チームの他のメンバーとも討議して検討する。当該事項を審査担当者に事前に相談し、必要あるときは、日本公認会計士協会の相談窓口や担当部署等に問合せ、入手した見解を検討します。
【監査上の判断の相違】
当法人は、監査チーム内、監査チームと専門的な見解の問合せの助言者との間、又は、監査責任者と審査担当者との間の監査上の判断の相違を解決するための方針及び手続を定めています。
当法人は、審査を行う機構を設け、すべての監査業務について監査計画並びに監査意見形成のための監査業務に係る審査(以下、本章において「審査」という。)を行う。監査計画の審査とは、監査チームが監査意見表明に至る過程において監査計画の策定及びその修正に関して行うものであり、監査意見の審査とは、監査チームが行った監査手続、監査上の判断及び監査意見の形成を客観的に評価するために行うものであり、以下のとおり方針及び手続を定めています
・審査の内容、実施時期及び範囲
・審査担当者の適格性
・審査に関する文書化
また、審査は、通常、監査責任者等との討議及び財務諸表とその監査報告書の検討(特に監査意見についての十分な検討)により行われます。審査には、監査チームが行った重要な判断や監査意見を裏付けるものとして必要と認める監査調書の検討が含まれる。審査の範囲は、監査業務の複雑性及び不適切な監査報告書が発行されるリスクの程度を考慮します。
さらに、審査担当者の選任に当たり、以下の事項を考慮して審査担当者の適格性を検討します。
・必要な知識、経験、能力、職位等の当該監査業務の審査を行うために必要とされる資格
・審査担当者が客観性を損なうことなく業務に関して専門的な見解の問合せの助言を行うことができる程度
・審査担当者に対し職業倫理に関する規定で要求される独立性
当法人は、品質管理のシステムに関するそれぞれの方針及び手続が適切かつ十分であるとともに、有効に運用されていることを合理的に確保するために、品質管理のシステムの監視に関するプロセスを定めています。当該プロセスには、品質管理のシステムに関する日常的監視及び評価を含めており、評価には、監査責任者ごとに少なくとも一定期間ごとに1つの完了した監査業務の定期的な検証に関する方針及び手続を含めています。
また、監査責任者は、社員会から伝達された、品質管理のシステムの監視の結果に関する最新の情報、及び当該情報で指摘された不備が担当する監査業務に影響を与えることがあるかどうかを考慮しています。